スポーツに起因する外傷や障害は、スポーツ本来の目的である「健康の維持・増進」や「体力の向上」に反するものであり、その予防対策は非常に重要です。スポーツ歯科とは、矯正治療中の人やスポーツ愛好者・選手の怪我の防止と運動能力向上を目指す新しい歯科の分野です。運動能力の向上や、歯・アゴ・口のまわりの怪我、脳しんとう等のスポーツ外傷やスポーツ障害を防止するために、当院では各個人に合わせてゴム質のマウスガード・マウスピース・スプリントの作製、管理を行っています。
近年のスポーツブームのせいか患者様の要求が増えています。マウスガードには大きく分けて、
【1】市販のタイプ(適合が悪く噛みしめないと落ちてしまう)と
【2】カスタムメイドタイプ(歯科技工師が選手の歯列模型上で作製)するものに分けられます。
当院ではカスタムメイドタイプの中でもラミネートタイプ(数枚のマウスガード材を加熱圧接して作製したもの)が一番多く求められております。
市販マウスガード
メリット | 身近にあるスポーツショップで入手でき、価格も比較的安価である。 |
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デメリット | 各個人にフィットしていないため、適合が悪く、咀みしめないと落ちてしまうものが多い。 |
カスタムメイドマウスガード
メリット | 精密な歯型を利用して製作するため、その性能は非常に高く十分な機能を発揮する。 |
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デメリット | 製作に手間がかかり、そのため価格も市販型よりやや高めである。 |
歯型に複数枚の特殊シートを加圧吸引圧接して作るため、最も精度が高く密着度も高くなっています。
またデザインも自由にできるためプロの選手などが好んで使用しています。
スポーツ先進国アメリカの歯科医師会の報告によると、合衆国内でおこなわれるスポーツの試合中にマウスガードを装着することで、年間200,000件以上の□腔領域のスポーツ外傷を防いでいるとしています。日本においても最近、予防効果が高いという同様な学会報告がみられます。
■ シングルタイプ | 5,000円(税込)~ |
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■ ラミネートタイプ | 10,000円(税込)~ |
作製には2~3回程度の来院回数が必要となります。ただし、大きな虫歯や著しい歯肉の病気がなく、原則として一通りの歯科治療が完了している事が前提です。場合によってはスポーツマウスガードの作製まえに、歯の治療を済ませていただくこともあります。
お口の中に問題がないか診査し、歯型の採得をおこないます。
次回までにスポーツマウスガードを作製しておきます。
できあがったスポーツマウスガードを実際にお口の中に装着してみます。
細かな調整をおこない、注意事項等説明します。専用の保管ケースとあわせてお渡しいたします。
適合や装着感に気になるところがあれば、再度調整をおこないます。
右写真の黒い器具は咬合器と呼ばれる人の顎の骨格を模倣したものです。
フェイスボーと呼ばれる器具で各個人にあった上下の咬み合わせの位置関係を咬合器上に再現します。1枚目がクリアーで、2枚目の前歯にあたる部分がオレンジです。2枚目にあたる部分の色は多種あります。写真の様にツール状のものをご持参していただけたら1枚目と2枚目の間に挟み込んで加圧形状する事も可能なので、世界でただひとつの個性的なマウスガードを作る事ができます。